定文(読み)さだめぶみ

精選版 日本国語大辞典 「定文」の意味・読み・例文・類語

さだめ‐ぶみ【定文】

  1. 〘 名詞 〙 書き方一定のきまりのある文書判決文や決議書など。布告状。じょうもん。
    1. [初出の実例]「次左右定雑事定文」(出典袋草紙(1157‐59頃)下)
    2. 「参議の末座にまゐりて、定め文当座にかきけるに」(出典:愚管抄(1220)四)

じょう‐もんヂャウ‥【定文】

  1. 〘 名詞 〙さだめぶみ(定文)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「定文」の解説

定文
さだめぶみ

公卿議定(ぎじょう)(陣定(じんのさだめ)・御前(ごぜん)定・殿上(てんじょう)定など)の結果を記した文書。「西宮記」などの儀式書によれば,勅問をうけた上卿(しょうけい)が議定の席で下位の者から意見をのべさせた結果を,大弁を兼ねる参議に命じて記録させた。議定の結果は,陣定の場合は定文を蔵人頭(くろうどのとう)に付して奏聞(そうもん)するが,御前定殿上定では定文を作らない場合もあり,重事のときには定文に参列者の意見を付記することもあった。のちには院殿上定や公卿家内部での取決め,幕府内での決定事項も定文とよんだ。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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