歴史的城塞都市カルカッソンヌ(読み)れきしてきじょうさいとしカルカッソンヌ

世界遺産詳解 の解説

れきしてきじょうさいとしカルカッソンヌ【歴史的城塞都市カルカッソンヌ】

1997年に登録されたフランスの世界遺産(文化遺産)。同国南部ラングドック・ルーション地方オード県の県都で、トゥールーズ南東約90kmのオード川を見下ろす高台にある。紀元前3世紀、ケルト人が建設した砦のある町で、13世紀半ばには隣国アラゴン王国に対する防衛のため、ルイ9世によってローマ時代の城壁外側に、さらに城壁の建設が始まり、1285年、フィリップ3世の時代に完成した。17世紀半ばのピレネー条約によってスペインとの国境が定まると、二重の城壁は不要になり荒れ果てたが、19世紀になって歴史的価値が見直され復旧された。「ラ・シテ」と呼ばれる城壁内には石畳が敷かれ、ロマネスク様式ゴシック様式が混在するサン・ナゼール聖堂やシャトー・コンタル(伯爵の城)などが残り、中世城塞都市の面影を今に伝えていることなどが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHistoric Fortified City of Carcassonne

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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