デジタル大辞泉 「窮子喩」の意味・読み・例文・類語 ぐうじ‐ゆ【▽窮子喩】 仏語。「法華経」信解品しんげぼんに説かれるたとえ。幼いころ家出し、流浪して困窮した子を、父の長者が見つけて雇い入れ、しだいに重用して最後に実子であることを明かす。長者は仏を、子は声聞しょうもん・縁覚えんがくの二乗をさす。三界を流転する衆生を仏が哀れみ、初め方便を説き、やがて救いの大道を教えることをたとえたもの。長者窮子喩。→法華七喩 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「窮子喩」の意味・読み・例文・類語 ぐうじ‐ゆ【窮子喩】 〘 名詞 〙 仏語。「法華経信解品(しんげぼん)」に説くたとえ。もと長者の子で、早くから親もとを離れて流浪し、落ちぶれていたのを、父の長者が見つけて、これを導き、長者の子としての自覚を与えたことを語るもので、長者は仏、窮子は声聞(しょうもん)のたとえ。釈迦はこれによって、みずから仏性を有することを忘れて、三界を流転している衆生をあわれみ、はじめに方便を説き、機の熟するのを待って無上の大道を教えるたとえとした。〔大蔵法数‐三九〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例