重力電池(読み)じゅうりょくでんち(英語表記)gravity cell

改訂新版 世界大百科事典 「重力電池」の意味・わかりやすい解説

重力電池 (じゅうりょくでんち)
gravity cell

重力の差で起電力を生じる電池。W.ラムゼーは,10%の硫酸亜鉛ZnSO4溶液の上下端に亜鉛極を置き,両極に電線を連結したところ,上部電極から下部の電極にきわめて弱い電流が流れることを見いだした。この起電力は上下極の高さの差に比例して増減し,重力の方向と逆方向でZn2⁺の動きやすさに差があるためと考えられる。重力電池の起電力はきわめて小さく,高さ1mで10⁻5V程度である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重力電池」の意味・わかりやすい解説

重力電池
じゅうりょくでんち
gravity cell

電池内の金属イオンの動きに重力が関与して起電力を生じるもの。硫酸亜鉛溶液の上下に亜鉛極板を,またはヨウ化カドミウム溶液の上下にカドミウム極板を置く。重力の代りに遠心力を利用する試みが行われたこともある。古くは陽極になる銅板の上に硫酸銅溶液を入れ,最も上に陰極になる亜鉛板を置いたものがつくられた。

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