金プール(読み)きんプール(その他表記)gold pool

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金プール」の意味・わかりやすい解説

金プール
きんプール
gold pool

ロンドン自由金市場における金価格の投機的な変動と,それに伴う国際的な為替制度混乱を防ぐため,欧米8ヵ国の中央銀行の間で取決められた制度。参加国の中央銀行が保有金の一部を醵出してプールし,必要に応じてロンドン金市場で金を売買し (実際の操作イングランド銀行代行) ,金価格の変動を防ごうとした。 1960年 10月のドル不安に伴う金価格の暴騰契機として,アメリカが結成を呼びかけたが,実際に初めて市場へ出動したのは 62年 11月であった。しかし 65年頃からは慢性的なポンド不安やアメリカの国際収支赤字から金の売却額が多くなり,67年にはフランスが事実上脱退した。さらに 68年3月には金の二重価格制が採用されたため,金プールは活動を停止した。

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世界大百科事典(旧版)内の金プールの言及

【金】より

…アメリカは金のドル公定価格を引き上げるとの予想が広まり,世界の金選好は高まった。 すでに1950年代末から自由金市場で投機によって金価格が急騰したため,61年に欧米の中央銀行は保有金を拠出して〈金プール〉をつくり,ロンドン金市場へ売り介入を行った。しかし市場の金価格上昇を抑えることはできず,ついに68年介入を停止した。…

【国際通貨制度】より

…他方,ドル不安のもとで自由金市場の金需要は増大した。欧米7ヵ国は金プールをつくり,金の市場価格が公定価格(法定平価)から離脱しないよう,市場へ介入した。67年ポンドが切り下げられると,金需要が急増した。…

※「金プール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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