ぺーろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ぺーろん」の意味・わかりやすい解説

ぺーろん

汨羅(べきら)の川(→ミールオ〈汨羅〉江)に身を投じた中国の詩人屈原の霊を慰める行事として,中国の端午節(旧暦 5月5日。→五月節供)に行なわれる,龍船競漕を起源とする競漕行事。白竜爬竜などの字があてられ,ハーリーなどとも呼ばれる。地域により人数は異なるが,長さ 10m余のへさきの突き出た船に漕ぎ手銅鑼叩きなどが総勢 30人ほど乗り込み,銅鑼や太鼓に囃されて速さを競い合う。沖縄県長崎県を中心に各地で行なわれている。沖縄県のハーリーは,航海安全と豊漁を祈る行事として旧暦 5月4日に行なわれるが,那覇市では観光行事化してゴールデンウィークの 5月3~5日に開催されている。長崎県のペーロンは,明暦1(1655)年に長崎港で嵐により唐船が難破したことから,海神をしずめるために唐人たちが始めたとも伝えられ,本来は旧暦 5月5日の行事であった。今日では 6~8月の日曜日に県内の西彼杵半島大村湾長崎半島の各地で行なわれ,7月最終日曜日には長崎市で長崎ペーロン選手権大会が開催されている。

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