長崎半島(読み)ナガサキハントウ

デジタル大辞泉 「長崎半島」の意味・読み・例文・類語

ながさき‐はんとう〔‐ハンタウ〕【長崎半島】

長崎県南部の半島。南西に延び、先端に野母のも崎・脇岬がある。野母半島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「長崎半島」の解説

長崎半島
ながさきはんとう

県南部、天草あまくさ灘に南東に突き出す半島。野母のも半島ともいう。北部に八郎はちろう(五九〇・一メートル)戸町とまち(四二七・二メートル)、南部に秋葉あきば(二五四・三メートル)くまノ岳(二八六メートル)遠見とおみ(二五九メートル)などが連なり、海岸部には海食崖と砂丘地がみられる。半島の南にかば島、北西に香焼こうやぎ島・伊王いおう島・たか島・島などがあり、中央山地と海岸部および長崎湾を囲む丘陵地などは野母半島県立公園。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「長崎半島」の意味・わかりやすい解説

長崎半島 (ながさきはんとう)

長崎県南西部,長崎市の南へ長靴のように突出している半島。野母(のも)半島ともいう。長さ20余km,幅は基部で6km,先端部ほど細くなっている。地質は主として緑色の結晶片岩からなり,茂木(もぎ)と小ヶ倉(こがくら)を結ぶ線で,長崎市域に広がる安山岩地帯と境されている。半島の北半部は八郎岳をはじめとして,標高300~600mのなだらかな隆起準平原の山地がつづく。この中で小八郎岳と城山の山頂部は,新しく噴出した玄武岩でおおわれている。南半部は秋葉山,殿隠(とのがくし)山など,標高200~300mの隆起準平原の山地が広がる。半島先端部では権現山,祇園山の丘陵に移行するが,これらの山は砂州で結ばれた陸繫島である。また祇園山を連結した北西からのびる砂州の磯には,通常は熱帯,亜熱帯サンゴ礁の海岸に発達するビーチロックが形成されている。祇園山の沖,約500mのところに浮かぶ樺島は架橋によって結ばれている。権現山には異国船の往来を監視する遠見番所跡がある。

 半島南端部の樺島,脇岬,野母の各集落は戦後イワシ揚繰(あぐり網漁業でにぎわったが,1951年ころから不振となり,代わって一本釣り漁業が中心となっている。温暖な気候に恵まれた半島東側の丘陵斜面には,日本一の生産量を誇る茂木ビワの栽培地帯がつづく。南部の川原,高浜は海水浴場となり,脇岬付近には亜熱帯植物園野母崎マリンランドがあり,野母半島県立自然公園に指定されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「長崎半島」の意味・わかりやすい解説

長崎半島【ながさきはんとう】

長崎県南部,南西に突出する半島。野母半島とも。おもに結晶片岩からなる低い山地で,南東岸は特に平地に乏しい。北東部は長崎市の一部,南西部は三和,野母崎の2町(2町とも現・長崎市)。沿岸には漁港が多い。
→関連項目三和[町]高島[町]橘湾長崎[県]長崎[市]野母崎[町]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長崎半島」の意味・わかりやすい解説

長崎半島
ながさきはんとう

長崎県の南部に突出する半島。野母半島(のもはんとう)ともいう。北東から南西方向の細長い半島で、長さ20余キロメートル、幅約6キロメートル、先端部で細く、最先端に属島の樺島(かばしま)がある。半島はさらに海底にまで追跡され、長崎海脚(海底における山脈状の高まり)が樺島の南西約40キロメートルに達している。地質は主として結晶片岩からなり、茂木(もぎ)―戸町(とまち)の線で長崎地区の安山岩地帯に隣接する。半島の北部は標高400~500メートルの台地状をなし、台地上には新しく噴出した玄武岩が小八郎(こはちろう)岳などの高まりを示す。南部はしだいに低くなり、先端部の脇(わき)岬では砂州が発達している。半島の北西部では深堀(ふかぼり)―香焼(こうやぎ)島間が埋め立てられ、長崎外港や三菱(みつびし)重工の100万トンドックが建設されている。東岸の川原(かわら)、西岸の高浜には海水浴場、脇岬町井上(いかみ)には亜熱帯植物園があり、野母半島県立公園に指定されている。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長崎半島」の意味・わかりやすい解説

長崎半島
ながさきはんとう

野母半島 (のもはんとう) ともいう。長崎県南部,天草灘に突出する半島。北部は長崎市街地,東は橘湾,西は長崎湾と五島灘に面する。標高 200~600mの丘陵地で,北部は古生代の結晶片岩山地を貫いて玄武岩が小山地を形成し,南部よりも高い。農業と漁業および観光の地域。農業ではミカン,ビワが主作物。漁業はかつての揚繰 (あぐり) 網漁に代って現在では一本釣りと小型巻網が主。大部分が野母半島県立自然公園に属し,南端の橘湾側面は無霜地帯で,亜熱帯植物園がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android