アブレーシモフ(読み)あぶれーしもふ(英語表記)Александр Онисимович Аблесимов/Aleksandr Onisimovich Ablesimov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アブレーシモフ」の意味・わかりやすい解説

アブレーシモフ
あぶれーしもふ
Александр Онисимович Аблесимов/Aleksandr Onisimovich Ablesimov
(1742―1783)

ロシアの作家。地方の貧しい地主の家庭に生まれる。ごく若いころから役人軍人として生涯を送る。そのかたわら、上司であったスマローコフの影響のもとに詩や劇を書き始め、やがてニコライ・ノビコフと協力して雑誌『雄蜂(おすばち)』に風刺的な詩や詩論を発表、社会の矛盾旧弊、さらには軽薄な風潮を批判した。1781年からは自らの雑誌『愉快な寓話詩(ぐうわし)の語り手』を刊行。代表作は農民の風俗を扱った喜歌劇魔法使いペテン師仲人(なこうど)の粉屋』(1779初演)で、これにはソコロフスキーとフォミーンによる2通りの曲がつけられて人気を博した。

中村喜和

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブレーシモフ」の意味・わかりやすい解説

アブレーシモフ
Ablesimov, Aleksandr Onisimovich

[生]1742.9.7. コストロマ,ガリチスキー
[没]1783. モスクワ
ロシアの作家。貧乏地主の家に生れた。 1758年以来軍隊勤務。代表作の喜歌劇『魔法使い・詐欺師・仲人の粉屋』 Mel'nik,koldun,obmanshchk i svat (1779年モスクワで出版,上演) は当時人気を博した。農民の生活と気質表情豊かな民衆の言葉で描いた同作品は V.ベリンスキーに「すばらしい民衆のボードビル」と評された。ほかに『童話集』 Skazki (69) ,寓話風刺詩などがある。

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