ウァレンチニアヌス1世(読み)ウァレンチニアヌスいっせい(英語表記)Valentinianus I; Flavius Valentinianus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウァレンチニアヌス1世」の意味・わかりやすい解説

ウァレンチニアヌス1世
ウァレンチニアヌスいっせい
Valentinianus I; Flavius Valentinianus

[生]321. パンノニア
[没]375.11.17. ブリゲチオ
ローマ皇帝 (在位 364~375) 。軍人の子で父とともにアフリカまで従軍。のちユリアヌス帝の下で台頭ササン朝のペルシア遠征に加わる。ユリアヌス,ヨウィアヌス帝が相次いで没し,そのあとニカイア軍隊から皇帝に推された。東方を弟ウァレンスにゆだね,みずからは西方統治。社会組織の確立に努め,身分世襲制,国家への奉仕義務を強化。特に国境防衛に腐心し,軍事力を強化してブルグンド,サクソン,クアデイ,アラマンニなどの諸族と戦い続けた。自身は無学だったが,学校をつくり,医療を充実させた。また熱心なキリスト教徒でありながら宗教面では寛容策をとった。ドナウ地方に侵入したゲルマンと交渉中急死。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android