ゲール(英語表記)Gale, Zona

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲール」の意味・わかりやすい解説

ゲール
Gale, Zona

[生]1874.8.26. ウィスコンシン,ポーテジ
[没]1938.12.27. シカゴ
アメリカ女流作家。 1895年ウィスコンシン大学卒業後,ミルウォーキー,ニューヨークで新聞記者をつとめるかたわら,短編小説を書きはじめ,1906年『ロマンス島』 Romance Islandを発表,次いで故郷ポーテジをモデルにした感傷的筆致の短編集『友愛部落』 Friendship Village (1908) で名をなした。以後きびしいリアリズム観に貫かれた『誕生』 Birth (18,劇化 24) や『ミス・ルル・ベット』 Miss Lulu Bett (20,同年劇化,ピュリッツァー賞) などを発表。この2作は彼女の最高傑作とされ,特に後者は同じ年に出た S.ルイスの『メイン・ストリート』と並んでアメリカの田舎町の生活に照明をあてた新しい小説として注目された。そのほか『ある人生の序章』 Preface to a Life (26) ,短編集『黄色いりんどう,青いりんどう』 Yellow Gentians and Blue (27) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲール」の意味・わかりやすい解説

ゲール
げーる
Zona Gale
(1874―1938)

アメリカの女流作家。ウィスコンシン州に生まれる。『ロマンス・アイランド』(1906)などのロマンチックな作風から、『友情の村』(1908)で地域物語に転じ、村落生活の閉塞(へいそく)性をつき、『ルル・ベット嬢』(1920刊。劇化後翌年ピュリッツァー賞受賞)では風刺ユーモア農民を批判的に描いている。のち農村生活謳歌(おうか)に傾き、同州出身のG・ウェスコットのノスタルジックな作風の先駆となった。

[渋谷雄三郎]

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20世紀西洋人名事典 「ゲール」の解説

ゲール


ゲイルを見よ。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

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