ニシキソウ(錦草)(読み)ニシキソウ(英語表記)Euphorbia pseudochamaesyce

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニシキソウ(錦草)」の意味・わかりやすい解説

ニシキソウ(錦草)
ニシキソウ
Euphorbia pseudochamaesyce

トウダイグサ科一年草。アジア東部の暖温帯に広い分布をもち,日本でも北海道を除く各地や南西諸島小笠原諸島などで路傍や畑の雑草となっている。茎は根に近いところからふたまた,ふたまたと多数分れて,地面をおおうように伸び,紅色で,切ると白い液汁が出る。葉は対生し,長楕円形で,長さ5~15mmあり,表面は緑色裏面は白緑色をしている。基部には線形で3深裂した托葉がある。夏から秋にかけて,枝の先や葉腋に赤紫色の花序をつける。この花序にはさらに数個の小さな杯状花序がつき,その中に数個の雄花と1個の雌花とがあって,鐘状の総包をもつ。果実は扁卵形の 蒴果となる。本種によく似ているコニシキソウ E. supinaは北アメリカ原産で,明治年間に渡来して日本各地に雑草として帰化している。やや小型なことと,葉の表面に暗紫色斑点があること,果実が卵球形で短毛が生えている点が異なる。

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