ハムシダマシ(読み)はむしだまし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハムシダマシ」の意味・わかりやすい解説

ハムシダマシ
Lagriidae

甲虫目ハムシダマシ科の昆虫総称。中型ないし小型の甲虫で,おおむね前体部は狭く,後体部は幅広くてふくらんでいる。ハムシに似るが,むしろゴミムシダマシ科に近い。幼虫は朽ち木上にすみ,成虫アオハムシダマシ Arthromacra viridissimaのように山地の花や葉にいるもの,ヒゲブトハムシダマシ Luprops orientalisのように枯れ枝や石の下にいるものなどがある。ハムシダマシ Lagria nigricollisは,体長 6.2~8mm,頭胸部黒色,上翅は茶褐色で,全面に黄色の細長毛を密生する。北海道から九州までと,アジア東部に分布し,灯火に来ることがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハムシダマシ」の意味・わかりやすい解説

ハムシダマシ
はむしだまし / 偽金花虫
偽葉虫
[学] Lagria vervex

昆虫綱甲虫目ハムシダマシ科に属する昆虫。日本各地および朝鮮半島、中国、樺太(からふと)(サハリン)、シベリア東部に分布する。体長7、8ミリ。黒色で上ばねは黄褐色、体表には毛が多い。細形で後体部はやや広がり、雄は目が大きく、触角の末節がほかの10節の和と同長。夏季に山地の樹葉上に普通にみられる。

 ハムシダマシ科Lagriidaeは、おもに中形の甲虫でゴミムシダマシ科に近縁の群で、世界におよそ700種が分布し、日本産は約20種知られている。体は長いものが多く、前体部は細まり、後体部は後方へ広がるか、両側が平行する。成虫はヒゲブトゴミムシダマシのように枯れ枝にいるものを除き、アオハムシダマシなどのように山地の花や葉上にみられ、幼虫は普通朽ち木の皮下などで生活する。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android