フェリーペ・デ・ヘスース(読み)Felipe de Jesu´s,de las Casas

朝日日本歴史人物事典 の解説

フェリーペ・デ・ヘスース

没年:慶長1.12.19(1597.2.5)
生年:1572
スペイン人フランシスコ会士。日本二十六聖人殉教者のひとり。スペイン名門の子としてメキシコに生まれる。1573年生まれの説もある。慶長1(1596)年,スペインのサン・フェリーペ号で司祭叙階の式を受けるため,マニラからメキシコへ向かう途中,船が土佐浦戸(高知市)に漂着したため日本に上陸,京都に送られる。同地で豊臣秀吉命令により,日本にいたペドロら他のフランシスコ会員と共に捕らえられ,長崎へ護送される。慶長1年12月19日,キリスト教徒としての信仰を守るために,長崎の西坂の丘で十字架にかけられ,槍で胸を貫かれて殉教した。このとき,十字架の寸法が合わず首の輪に全身の重みがかかったため,息がつまって最初に殺された。<参考文献>パチェコ・ディエゴ『長崎への道』

(片岡瑠美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報