ムーラオ族(読み)ムーラオぞく

百科事典マイペディア 「ムーラオ族」の意味・わかりやすい解説

ムーラオ族【ムーラオぞく】

中国,広西チワン族自治区中部・北西部,とくに羅城ムーラオ族自治県(1984年成立)を中心に居住する民族。〈ムーラオ〉は他称。言語はトン語(トン族)やスイ語(スイ族)に近い。歌掛け,不落夫家婚(第1子の出産時まで妻が実家に居住)などチワン族の文化的影響がつよいが,古代西南中国に広く分布した〈僚(リャオ)人〉の末裔といわれ,また平地土間式住居もチワン族と異なる。立冬後,村落単位での〈依飯(イーファン)〉祭を祝い,廟祭・演劇・歌掛けを盛大に行う。約16万人(1990)。
→関連項目広西チワン(壮)族自治区

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムーラオ族」の意味・わかりやすい解説

ムーラオ族
ムーラオぞく
Mulao

中国,広西チワン (壮) 族自治区の羅城,宜山,柳城,都安,忻城などの県に居住する少数民族。人口約 10万 3940 (1990) 。言語はシナ=チベット語族に属し,文化的には漢族とチワン族の影響が濃い。水稲コムギトウモロコシなどの栽培を生業とする。精霊信仰,祖先崇拝を中心とするが,道教も信仰される。村落の構成は同姓同族が基本で,婚姻においてはプルオフチア (不落夫家) と呼ばれる,子供が生れるまでは妻が生家を出ない習俗がみられる。

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