取立命令(読み)トリタテメイレイ

デジタル大辞泉 「取立命令」の意味・読み・例文・類語

とりたて‐めいれい【取立命令】

差し押さえの対象となった債権を、差し押さえ債権者みずからに取り立てる権限を付与する執行裁判所命令。昭和54年(1979)に民事執行法制定されて廃止。現在では、金銭債権の取り立ては命令なしでできる。

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精選版 日本国語大辞典 「取立命令」の意味・読み・例文・類語

とりたて‐めいれい【取立命令】

〘名〙 差し押さえた金銭債権を、代位手続によらないで、執行債務者に代わって執行債権者に取り立てる権限を与える執行裁判所の命令。昭和五四年(一九七九)民事執行法の制定により廃止。現在では、差し押さえ命令の送達の日から一週間後、命令なしに取り立てることができる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「取立命令」の意味・わかりやすい解説

取立命令
とりたてめいれい

旧民事訴訟法では、債務者が、第三債務者に対して有する債権を、代位の手続(民法423条)を要せずに、執行債権者に、債務者にかわって自ら取り立てる権限を付与する執行裁判所の決定をいっていた。これは、旧民事訴訟法第600条、602条で認められていたものであるが、1979年(昭和54)に新しく民事執行法が制定された結果、この取立命令は姿を消すこととなった。現在では、民事執行法第155条により、金銭の支払いを目的とする債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、その債権を取り立てることができることとされている。ただし、差押債権者は、その債権および執行費用の額を超えて支払いを受けることはできない(同条1項但書)。差押債権者が、第三債務者から支払いを受けたときは、その債権および執行費用は、支払いを受けた額の限度で弁済されたものとみなされる(同条2項)。なお、差押債権者は、前記の支払いを受けたときは、ただちにその旨を執行裁判所に届け出なければならない(同条3項)。

[竹内俊雄]

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百科事典マイペディア 「取立命令」の意味・わかりやすい解説

取立命令【とりたてめいれい】

転付命令

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