右筆・祐筆(読み)ゆうひつ

精選版 日本国語大辞典 「右筆・祐筆」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ひつ イウ‥【右筆・祐筆】

〘名〙
① (━する) 筆を執って文を書くこと。
明衡往来(11C中か)中末「只今従大内召、可参勤侍、仍右筆非暇、追可注申侍」
文筆に長じたもの。文書にたずさわって仕えるもの。文官。
吾妻鏡‐養和二年(1182)五月一二日「伏見冠者藤原広綱初参武衛、是右筆也」
③ 武家社会に多く見られる職務。文書・記録の執筆・作成にあたる常置の職。鎌倉幕府の引付(ひきつけ)の右筆、江戸幕府の奥右筆・表右筆など。武将の家などにも見られる。
庭訓往来(1394‐1428頃)「管領・寄人・右筆・奉行
④ (━する) 代筆をすること。また、その人。代書。
浄瑠璃嫗山姥(1712頃)二「たれしらぬ者もない傾城の右筆(ユウヒツ)。濡一通りの状文なら恐らくわたし一筆で」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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