圧力式温度計(読み)あつりょくしきおんどけい

改訂新版 世界大百科事典 「圧力式温度計」の意味・わかりやすい解説

圧力式温度計 (あつりょくしきおんどけい)

液体または気体圧力温度によって変わることを利用した温度計。次の3種に分類されるが,そのうちの(1)(2)だけを圧力式温度計と呼ぶ場合もあり,その場合には,(3)を含めた全体を充満式温度計と呼ぶ。いずれも構造が簡単でじょうぶであり,記録計として利用する場合,電源を必要としないから便利で安全である。(1)感温部は液体(水銀ケロシンエチルアルコールなど)だけで充満されている,(2)感温部は気体(ヘリウムか窒素)だけで充満されている,(3)感温部はある物質(プロパン,トルエンエチルエーテルなど)の液体およびその蒸気で充満されており,飽和蒸気圧が液体と蒸気との境界面の温度で決まることを利用して温度を指示させる温度計で,測定できる温度の範囲は狭いが感度は一般に大である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報