コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

エチルエーテル ethyl ether

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エチルエーテル
ethyl ether

ジエチルエーテルともいう。化学式 C2H5OC2H5エチルアルコール濃硫酸との反応によって得られる。特有の臭いをもつ無色揮発性の液体で,沸点 34.5℃。引火しやすく,その蒸気は空気より重いので取扱いに注意を要する。水には少し溶け,また少量の水を溶かす。エチルアルコールとは無制限に混合する。過酸化物をつくり,爆発を起すことがあるので,蒸留には注意を要する。工業的にはエチレンからエチルアルコールを製造する際の副産物として得られる。麻酔作用があるので,吸入麻酔薬として用いられる。有機化合物を水溶液から抽出する溶媒,工業用溶剤として重要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

エチルエーテル

化学式はC2H5OC2H5。ジエチルエーテルまたは単にエーテルとも。芳香のある無色の液体。沸点34.48℃。水に微溶,アルコールとは任意の割合に混ざる。
→関連項目エーテル(化学)

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エチルエーテル
えちるえーてる
ethyl ether

一般にR-O-R'の構造で示される物質をエーテルといい、RとR'の双方がエチル基C2H5-のエーテルは、正式にはジエチルエーテルあるいはエトキシエタンであるが、これをエチルエーテルともよぶ。またエーテルの代表として単にエーテルともよばれる。
 無色の流動しやすい、きわめて揮発性と引火性の高い液体。刺激的でやや甘い感じのにおいがあり、麻酔性がある。空気中における毒性許容濃度は400ppm程度である。蒸気は空気より重い。空気中の酸素と光の作用により爆発性の過酸化物を生成するので、長い間空気下にあったエチルエーテルの取扱いには注意する必要がある。水とは互いにすこしずつ混ざり合い、水で飽和したエチルエーテルは20℃で1.2容量%の水を含み、他方エーテルで飽和した水は25℃で6容量%のエーテルを含む。エタノール(エチルアルコール)、ベンゼン、クロロホルム、石油エーテルなどとは任意の割合で混合する。蒸発熱が大きく、急速に蒸発すると温度が低下する。
 エチルエーテルは、金属塩化物のあるものをその塩酸溶液から抽出分離するのに、用いられる。たとえば、鉄、マンガン、ニッケルおよびコバルトの混合物の塩酸溶液からは鉄のみが塩化鉄()としてエーテルにより抽出分離される。また樹脂、ゴム、油脂、香料などの溶剤として、また有機合成反応の溶剤、天然物の成分の抽出溶媒として利用される。工業的にはエチレンから製造される。取扱いには、蒸気を吸入しないようにし、また火気に注意する。[徳丸克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

エチルエーテルの関連キーワードウィリアムソン(イギリスの化学者 Alexander William Williamson)エチルエーテル(データノート)エーテル(酸素化合物)アントーノフの規則グリニャール試薬硫化アンモニウムエチレンオキシドグリニャール反応エチルセルロースエーテル(化学)ジエチルエーテルプロトン性溶媒複素環式化合物エーテル麻酔圧力式温度計硝酸カリウムフェノールリン(燐)エタノールグレーザー

今日のキーワード

MERY

ファッション情報を中心とした女性向けデジタルメディア。運営元は株式会社MERY。2013年、株式会社ペロリによって創設された。同社が株式会社ディー・エヌ・エーの子会社となった14年以降も運営は継続され...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android