百科事典マイペディア 「富岳三十六景」の意味・わかりやすい解説 富岳三十六景【ふがくさんじゅうろっけい】 富士山を主題とする風景版画で,葛飾北斎の代表作。開版は1823年ころと推定され,1831年ころにはほぼ完結したらしい。全部で46図を数えるが,初め線描を藍摺(あいずり)にした36図が出され,残る墨摺の10図は好評にこたえた追加版。有名な《凱風快晴》《山下白雨》《神奈川沖浪裏》などの傑作は前者に属する。西洋画法をとり入れた清新な手法と奇抜な構図が人気を呼び,以後浮世絵の主流は美人画や役者絵から風景画へと移行。→関連項目東海道五十三次 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報