精選版 日本国語大辞典 「嵐吉三郎」の意味・読み・例文・類語
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歌舞伎俳優。1973年に没した7世まである。(1)初世(1737-80・元文2-安永9) 俳名里環。初名竹田吉三郎。大坂竹田芝居の出身。嵐勘三郎に入門,1758年(宝暦8)嵐姓となる。この年の顔見世から座本もつとめた。76年(安永5)には座頭(ざがしら)となり,京坂の芝居で立役の名人として活躍した。実事・和事・老け役を兼ね,《薄雪物語》の奴妻平など,奴や男達(おとこだて)を得意とした。(2)2世 初世嵐璃寛の前名。(3)3世(1810-64・文化7-元治1) 2世の兄嵐猪三郎の子で,大三郎,橘三郎を経て,1821年(文政4)に吉三郎を襲名。江戸にも下り,名声をあげ,京坂劇壇の重鎮となった。立役の名手で,《寺子屋》の松王丸などが当り役。
執筆者:向井 芳樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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