朝日日本歴史人物事典 「市川八百蔵(4代)」の解説
市川八百蔵(4代)
生年:安永1(1772)
江戸後期の歌舞伎役者。俳名中車。屋号立花屋。江戸の振付師初代藤間勘十郎の弟。天明2(1782)年4代目岩井半四郎門に入り,岩井かるもを名乗る。同7年,岩井喜代太郎と改名。若女形不足の折から若女形としての期待をかけられていたが,享和初年に立役に転じた。文化1(1804)年,先代の八百蔵が2代目助高屋高助と改名したため,4代目八百蔵を襲名した。立役となってからの評判は悪くなかったようだが,同5年ごろからは中芝居や名古屋への出勤が多かった。容姿にすぐれ華のある役者ぶりで,和事を得意とした。
(加藤敦子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報