御錠口(読み)オジョウグチ

デジタル大辞泉 「御錠口」の意味・読み・例文・類語

お‐じょうぐち〔‐ヂヤウぐち〕【御錠口】

錠口じょうぐち2

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精選版 日本国語大辞典 「御錠口」の意味・読み・例文・類語

おじょう‐ぐち おヂャウ‥【御錠口】

〘名〙
江戸時代江戸城諸大名の邸内で、表と奥との境にあった出入り口。江戸城のそれは間口二間、黒塗縁の杉戸と銅張りの大戸が立ち、五つ(午前八時頃)に開き、六つ(午後六時頃)に閉め、錠を下ろしたという。御錠番衆によって厳重に警護され、それより奥は男子出入りが禁じられていた。御口(おくち)
歌舞伎隅田川花御所染(1814)四立「お錠口(ヂャウグチ)まで伴うて、役人中へこの由を」

ご‐じょうぐち ‥ヂャウぐち【御錠口】

〘名〙 (「ご」は接頭語) 江戸時代、将軍大名邸宅などで表と奥とのさかいに設けた出入口。戸をたて錠をおろすところからいう。おじょうぐち。
人情本・清談若緑(19C中)二「土産物など整へて駕籠を飛ばして館へ行き、御錠口(コヂャウグチ)にて其の由を言ひ入れければ」

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世界大百科事典(旧版)内の御錠口の言及

【大奥】より

…御殿向はその大奥の主人,すなわち本丸ならば御台所,西丸ならば大御台所もしくは将軍世子夫人,その子女たちの居住する場所,御広敷向は大奥管理事務所で,男の御広敷役人の勤務する場所,長局向は大奥に勤務する女中いわゆる大奥女中たちの住む宿舎である。将軍が日常起居する場所は表のなかの中奥であるが,中奥と大奥の間は厳重な塀で仕切られ,御鈴廊下とよばれる廊下のみでつながり,御鈴廊下と中奥の境に設けられた〈御錠口〉から大奥側へは将軍以外の男子は入ることができなかった。
[本丸の大奥]
 大奥の規模・構造は時代によって若干の変化があったが,だいたいにおいては従前の形式が踏襲されていた。…

【御広敷番】より

…番頭の支配下に御広敷添番,同並,御広敷伊賀者,御広敷進上番,御広敷小人,御広敷小仕事之者などが所属する。御広敷御門の長屋中に伊賀者・添番の詰所,小人部屋があり,玄関を入ると番頭部屋・添番詰所があり,玄関正面の奥に伊賀者番所があって,この番所が厳重な板戸を隔てて御殿向に続き,ここが御広敷からの御錠口となっていた。この御錠口からは,男子は9歳以下の子供,許可のある医師,普請のさい許可をうけた大工など限られた者しか入れなかったが,女性は届け出て出入りすることができたから,この出入りを監察するのが伊賀者番所の役目であった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」