デジタル大辞泉
「某某」の意味・読み・例文・類語
なにがし‐くれがし【▽某▽某】
[代]だれそれ。なにがしそれがし。
「―と数へしは頭中将の随身、その小舎人童をなむ、しるしに言ひ侍りし」〈源・夕顔〉
なにがし‐それがし【▽某▽某】
[代]だれそれ。なにがしくれがし。
「―留めて侍れば」〈狭衣・一〉
ぼう‐ぼう【某某】
だれだれ。名前が不明な場合や名前を伏せる場合などに用いる。
「―を殺したと言っているではないか」〈芥川・侏儒の言葉〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
なにがし‐かがし【某某】
〘代名〙 他称。だれそれ。某々。
身分、
地位などが明らかで、
特定の固有の名前を
問題にする必要のない時などに、
人名を列挙する代わりに用いる。なにがしくれがし。なにがしそれがし。
※
大鏡(12C前)一「さるべくおとなしき人々、なにがしかがしといふいみじき
源氏の武者達を」
それがし‐それがし【某某】
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「人やあるとめされければ、某々(ソレガシソレガシ)と面々に名乗申しけり」
なにがし‐くれがし【某某】
※源氏(1001‐14頃)夕顔「なにかしくれかしと数(かず)へしは、頭中将の随身」
なにがし‐それがし【某某】
※
狭衣物語(1069‐77頃か)一「なにがしそれがし留
(とど)めて侍れば」
ぼう‐ぼう【某某】
〘名〙
複数の人たちを、その名前を呼ばないで表現する時に用いる語。だれそれ。
※侏儒の言葉(1923‐27)〈
芥川龍之介〉自由「某々を殺したと言ってゐるではないか?」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報