眷属神(読み)ケンゾクシン

デジタル大辞泉 「眷属神」の意味・読み・例文・類語

けんぞく‐しん【×眷属神】

大きな神格に付随する多数の小神格。摂社末社

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「眷属神」の意味・読み・例文・類語

けんぞく‐しん【眷属神】

〘名〙 (眷属従者の意) 大きな神格に従属する小神格。摂社。末社。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「眷属神」の意味・わかりやすい解説

眷属神 (けんぞくしん)

大きな神格に付属する小神のこと。眷属とは〈眷愛眷顧隷属〉の略で,一には親族同族の意味,二には従者配下の意味で用いられるが,両方の意味をもつこともある。たとえば,〈七世父母六親眷属〉(石山寺蔵《瑜伽師地論》),〈四十人の子ども……千人のくゑんぞく〉(《宇津保物語》)は一の意味であり,〈四五百人の所従眷属〉(《平家物語》)は二の意味である。仏典にもしばしば現れ,ほぼ仏の親族という意味に用いられる。日本では,在来神祇仏菩薩の統御下に包摂せんとする動き(本地垂迹説の発生)の高まった時期に,これら古典的用例を援用して,大きな神格(ほとんどが本地仏を有する)に付属する小神を多数編成する際によく用いられた。10世紀の〈道賢上人冥途記〉(《扶桑略記》所引)に〈我が眷属十六万八千悪神等,随処に損害を致す〉とあり,以後熊野の五所王子,九十九王子日吉祇園の八王子(五男三女神)などしきりに諸人の口に上った。
王子信仰 →若宮
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android