磁山文化(読み)ジザンブンカ(英語表記)Cí shān wén huà

デジタル大辞泉 「磁山文化」の意味・読み・例文・類語

じざん‐ぶんか〔‐ブンクワ〕【磁山文化】

中国黄河中流域に栄えた初期新石器文化河南裴李崗はいりこう文化とともに、仰韶ぎょうしょう文化に先行する農耕文化

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改訂新版 世界大百科事典 「磁山文化」の意味・わかりやすい解説

磁山文化 (じさんぶんか)
Cí shān wén huà

中国,河北省南部の武安県洺河流域に分布する新石器時代早期の文化。標識となった磁山遺跡は県城の南西20kmにあり,1976-77,78年と2度の調査が行われ,灰坑と上下2層の文化層を出土した。土器は夾砂・泥質の紅陶で,盂,それをのせる支脚,三足鉢,深腹缶,双耳壺,丸底鉢などがある。石器には磨製・打製の両方があり,牛舌状鏟,石斧,石鑿石庖丁,石鎌などがある。製粉用の牛舌状石皿は四足をもつ精品で棒状すり石を伴う。長方形灰坑は食糧貯蔵庫で,その多くから多量の粟を出土した。また多数の動物骨が出土しており,イヌ,ブタ,そしておそらくニワトリが飼育され,シカイノシシなどが捕獲されたことがわかる。炭素14法では約7300年前という値がでている。南接する裴李崗(はいりこう)文化と共通する面が多いが,盂およびその支脚を有し,鋸歯石鎌がなく,打製石器の多い点が異なっている。
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