経紙(読み)キョウシ

デジタル大辞泉 「経紙」の意味・読み・例文・類語

きょう‐し〔キヤウ‐〕【経紙】

きょうがみ(経紙)」に同じ。

きょう‐がみ〔キヤウ‐〕【経紙】

写経用紙。きょうし

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精選版 日本国語大辞典 「経紙」の意味・読み・例文・類語

きょう‐し キャウ‥【経紙】

狭衣物語(1069‐77頃か)一「きゃうしなどにや、泥のつきたるぞありける」

きょう‐がみ キャウ‥【経紙】

〘名〙 写経の用紙。追善のため故人ゆかりのある紙を用いることがある。きょうし。
※和泉式部続集(11C中)上「御ふみどものあるをやりて経紙にすかすとて」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経紙」の意味・わかりやすい解説

経紙
きょうし

写経用紙。日本の製紙古代の仏教文化と関係が深く、奈良時代の写経の流行は、中世の西欧キリスト教国にもみられないほどの紙の需要を引き起こし、製紙を一大産業にまで発展させる基礎を築いた。そのようすは『正倉院文書』などの多くの文献からうかがえるが、技術的にも流し漉(ず)き法の発明染色加工に著しい進歩を示し、平安時代以降装飾性も加味されて、荘厳(そうごん)経などの華美な経紙がつくられた。

[町田誠之]

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