(読み)シ

デジタル大辞泉 「肆」の意味・読み・例文・類語

し【肆】[漢字項目]

[音]シ(呉)(漢) [訓]ほしいまま みせ
かって気まま。ほしいまま。「放肆
みせ。「酒肆書肆
数字「四」の大字。「金肆拾万円」

いち‐くら【×肆/市座】

《「いちぐら」とも》奈良平安時代、市で取引のために商品を並べた所。
市人よもより集ひて、自然に―をなせり」〈出雲国風土記

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精選版 日本国語大辞典 「肆」の意味・読み・例文・類語

いち‐ぐら【肆】

〘名〙 (古くは「いちくら」。市座(いちくら)の意。座(くら)財物を置く所) 古代に、市場売買交換のために、商品を並べて置いた所。市の蔵。のちに、商いの店。〔新訳華厳経音義私記(794)〕
平家(13C前)七「今日は肆(いちぐら)の辺に水をうしなふ枯魚の如し」

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【商業】より

…市の商店は同種同業のものが集まって,一つの町をつくるのが原則であった。この同業商店の町を,秦・漢時代には肆(し)あるいは列と呼び,隋・唐から宋代にかけては行と呼んだ。行には首長がいて行内商店の取締りに任じたが,彼らは行頭または行首と称せられた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」