胤じょう(読み)いんじょう(英語表記)Yin-reng; Yün-jêng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胤じょう」の意味・わかりやすい解説

胤じょう
いんじょう
Yin-reng; Yün-jêng

[生]康煕13(1674)
[没]雍正2(1724)
中国,清朝康煕帝の次子。允じょうとも書く。生母はヘシェリ (赫舎里) 氏仁皇后。皇后が胤じょうを産んですぐ死んだこともあり,康煕帝は皇子を寵愛し,2歳で皇太子とした。のちに康煕帝の北征に際しては監国の地位につき,また南北の巡行もともにするなど重用されたが,やがて皇太子を中心とする党派ができ,さらにクーデター陰謀もあったとして康煕 47 (1708) 年に廃された。翌年許されて復位したが,再び同 51年に廃位され,宮中の咸安宮に幽閉されてそのまま没した。康煕帝を継いだ雍正帝は皇太子胤じょうをめぐる党派争いに懲りて,以後,皇太子は決定するが,その名を公表しない皇太子密建法を行うこととした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android