藤原実範(読み)ふじわらのさねのり

朝日日本歴史人物事典 「藤原実範」の解説

藤原実範

生年生没年不詳
平安後期の学者,漢詩人。能通の子。大学寮に学び,藤原義忠師事治安3(1023)年文章得業生となる。これが史料上の初見。対策に及第して蔵人,式部丞を経て,天喜1(1053)年文章博士となるが,康平5(1062)年10月,病気によって大学頭と文章博士を辞職。時に従四位上。間もなく没したか。『本朝続文粋』『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩』などに二十余首の詩文が残る。子の成季,季綱以下の子孫に多くの文章博士を輩出し,彼らが文章道の有力な氏族として南家藤原氏を形成していったので,実範はその始祖として仰がれた。

(後藤昭雄)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原実範」の解説

藤原実範 ふじわらの-さねのり

?-? 平安時代中期の官吏,漢詩人。
南家藤原能通(よしみち)の子。藤原義忠(のりただ)に師事し,治安(じあん)3年(1023)文章得業生(もんじょうとくごうしょう)。のち文章博士,大学頭(かみ)となるが,康平5年(1062)病により辞任。ときに従四位上。子の藤原成季(なりすえ)・季綱以下子孫から文章博士が輩出したため,南家家学の祖とあおがれた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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