賤のをだ巻(読み)しずのおだまき

改訂新版 世界大百科事典 「賤のをだ巻」の意味・わかりやすい解説

賤のをだ巻 (しずのおだまき)

随筆。森山孝盛著。1802年(享和2)の自序がある。元文年間(1736-41)に生まれた著者延享(1744-48)から天明(1781-89)ころまでに見聞した江戸風俗変遷個条書きで56項目にわたって記述したもの。享和(1801-04)ころと比較の叙述があり,所々にさし絵も入っている。豊後節などの音曲,諸芸能,日本左衛門,志道軒,釈迦ヶ嶽(相撲取)などの人物,日傘,花かんざし,きせるなどの器物に触れる。近世中期の江戸の風俗資料として注意されている。《燕石十種》1に翻刻がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android