金属水素化物(読み)キンゾクスイソカブツ

化学辞典 第2版 「金属水素化物」の解説

金属水素化物
キンゾクスイソカブツ
metal hydride

金属元素水素の二元化合物の総称.【】塩型水素化物:アルカリ金属アルカリ土類金属元素は,MH,M H2型の無色イオン結晶をつくる.水素化ナトリウムNaH,水素化カルシウムCaH2水素化リチウムLiHが代表的なものである.これらは還元力があり,水素発生剤,還元剤,有機合成の縮合剤などに用いられる.【】侵入型水素化物:金属結晶格子に水素が入った侵入型化合物一種である.遷移金属水素化物の多くはこの型になる.原子数比が化学量論値からずれた不定比化合物となることも多い(TiH1.7,LaH2.5など).一般に,外観は金属状で,導電性をもつため金属類似水素化物ともいう.室温・常圧で安定なものが多い.水素吸蔵合金,水素化反応の触媒などに用いられる.PdHは,H2精製に用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android