雪窓(読み)せっそう(英語表記)Xuě chuāng

改訂新版 世界大百科事典 「雪窓」の意味・わかりやすい解説

雪窓 (せっそう)
Xuě chuāng

中国,元代の禅僧画家生没年不詳。俗姓は曹,法諱ほうき)は普明。松江江蘇省)の出身。晦機元熙の法嗣蘇州雲巌寺,承天寺などの大寺に住し,1349年(至正9)後,まもなく没している。画は蘭を描いて有名で,その作品は文人にも賞賛されている。遺品は日本に多く伝わり,《蘭竹図》四幅対(宮内庁蔵)が代表的なものである。著に《画蘭筆法記》があったが散逸した。
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百科事典マイペディア 「雪窓」の意味・わかりやすい解説

雪窓【せっそう】

中国,元代の14世紀前半に活躍した禅僧,画家。生没年不詳。松江(江蘇省)の人。墨蘭名手で,蘭を描いて風の勢いを表すといわれ,着実な自然描写と筆法布置に規矩(きく)を乱さぬ点,自由奔放な画風の多い禅僧の水墨画の中では異色である。著書に《画蘭筆法記》がある。日本でも南北朝以来画名と作品が伝えられ,梵芳(ぼんぽう)など雪窓を学ぶ画僧も現れた。

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