雲巌寺(読み)ウンガンジ

デジタル大辞泉 「雲巌寺」の意味・読み・例文・類語

うんがん‐じ【雲巌寺】

栃木県大田原市にある臨済宗妙心寺派の寺。開創は大治年間(1126~1131)と伝えられるが、未詳高峰顕日こうほうけんにち仏国国師)が、この地に草庵を結んで修行したのがはじまりという。

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精選版 日本国語大辞典 「雲巌寺」の意味・読み・例文・類語

うんがん‐じ【雲巖寺・雲岸寺】

  1. 栃木県那須郡黒羽(くろばね)町にある臨済宗妙心寺派の寺。山号東山禅宗日本四道場の一つ。大治年間(一一二六‐三一)の開基。恵心僧都作の釈迦如来本尊とする。
    1. [初出の実例]「雲岸寺のおくに仏頂和尚山居跡あり」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)雲岸寺)

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日本歴史地名大系 「雲巌寺」の解説

雲巌寺
うんがんじ

[現在地名]黒羽町雲岩寺

武茂むも川の西岸にある。東山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊は恵心作と伝える釈迦如来。寺伝では大治年中(一一二六―三一)、京都禅林ぜんりん寺永観の弟子初叟により創建され、弘長年中(一二六一―六四)八溝やみぞ山の修験大徳が伽藍を再建、鎌倉円覚寺仏光の弟子仏国(高峰顕日)を招いて開山としたという(開山御由緒調)。仏国は後嵯峨天皇の皇子で、康元元年(一二五六)一六歳で京都東福寺に入った(仏国国師行録)。仏国の那須入山の時期などについて正確なことはわかっていないが、文応二年(一二六一)頃当地に隠遁したものと考えられている。

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改訂新版 世界大百科事典 「雲巌寺」の意味・わかりやすい解説

雲巌寺 (うんがんじ)

栃木県大田原市の旧黒羽町にある臨済宗の寺。山号は東山。1120年代ころ,初叟元(しよそうげん)和尚によって旧仏教系寺院として開かれたと伝えられている。しかし後に衰退し,1283年(弘安6)高峰顕日(こうほうけんにち)によって復興され,臨済宗寺院となった。開山の高峰は東福寺の弁円の下で修行後,那須の山中に隠遁したが,その名声が各地に伝わると修行者が参集し,当時筑前で名声の高かった南浦紹明と共に〈天下の二甘露門〉と称せられた。高峰には大同妙喆(みようてつ)はじめ優れた弟子が多く,下野,上野に多くの末寺を創出した。当寺は戦国時代に荒廃し,1578年(天正6)妙心寺派の大蟲宗岑(だいちゆうそうしん)によって復興され臨済宗妙心寺派となった。しかし90年,那須資晴が当寺に拠って反を謀ると讒言(ざんげん)する者があったため,豊臣秀吉によって焼き払われた。その後,徳川家光の時代に妙徳禅師によって復興された。寺内には無学祖元,高峰顕日等の像がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雲巌寺」の意味・わかりやすい解説

雲巌寺
うんがんじ

栃木県大田原(おおたわら)市雲岩寺(うんがんじ)にある臨済(りんざい)宗妙心寺派の寺。山号は東山(とうざん)。1281年(弘安4)高峰顕日(こうほうけんにち)(仏国国師)がこの地に草庵(そうあん)を結んで修行していたが、83年に執権の北条時宗(ときむね)が一大禅院を建立したので、顕日は師の無学祖元(むがくそげん)(仏光国師)を招請して開山とし、自らは第1世となった。ついで太平妙準(たいへいみょうじゅん)(仏応禅師)が第2世となったので、この3禅師を「雲巌寺の三仏開山」という。1590年(天正18)豊臣(とよとみ)秀吉によって伽藍(がらん)を焼かれたが、無住妙徳(むじゅうみょうとく)が再興。現在、山門(寺内最古)、仏殿、方丈、庫裡(くり)のほか専門道場がある。寺宝の仏国国師画像、仏応禅師画像は国の重要文化財に指定されている。

[菅沼 晃]

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事典・日本の観光資源 「雲巌寺」の解説

雲巌寺

(栃木県大田原市)
関東・観光バスで行く名所100選」指定の観光名所。

雲巌寺

(栃木県大田原市)
とちぎの景勝100選」指定の観光名所。

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デジタル大辞泉プラス 「雲巌寺」の解説

雲巌寺(うんがんじ)

栃木県大田原市にある寺院。臨済宗妙心寺派。12世紀前半の開創と伝わるが不詳。開山当時は禅宗の4大道場のひとつに数えられた。

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世界大百科事典(旧版)内の雲巌寺の言及

【高峰顕日】より

…後嵯峨天皇の皇子で,16歳のとき東福寺円爾(えんに)弁円の門に入って具足戒を受け,1260年(文応1)兀庵普寧(ごつたんふねい)に従って建長寺において湯薬侍者をつとめた。翌年下野那須の教寺に韜晦(とうかい)したが,多くの禅徒が参集したので,やがて禅寺にあらため,雲巌寺(栃木県黒羽町)とし,その開山となった。79年(弘安2)無学祖元が来朝すると,しばしば建長寺・円覚寺に赴いて祖元に参禅し,ついに印可を受けて法を継いだ。…

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