アイドルコスト(読み)あいどるこすと(英語表記)idle cost

デジタル大辞泉 「アイドルコスト」の意味・読み・例文・類語

アイドル‐コスト(idle cost)

企業の設備・労働力などが十分用いられないことから生じる損失遊休費。不働費。

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精選版 日本国語大辞典 「アイドルコスト」の意味・読み・例文・類語

アイドル‐コスト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] idle cost ) 工場生産能力が十分に利用されないで、一部が遊休状態にあるために発生する損失。発生原因により、アイドル‐キャパシティー‐コスト(遊休設備費)とアイドル‐タイム‐コスト(遊休時間費)に分ける。遊休費。不働費。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイドルコスト」の意味・わかりやすい解説

アイドル・コスト
あいどるこすと
idle cost

企業の保有する生産能力を十分に活用できない状況によって発生する費用。企業は諸種の経済資源を取得し一定の生産能力(キャパシティ)を確保して経常の活動を遂行するものであるが、このキャパシティをフルに活用できない遊休(不働)の状況をつくりだすことがある。このことによって発生する機会費用もしくは機会損失をアイドル・コストという。おおむねアイドル・キャパシティ・コストと同義で、日本語では遊休費、不働費などといわれる。アイドル・コストは不況期には大きくなり、場合によってはその削減のためにキャパシティの縮小を目的とする経営構造改革(リストラクチャリング)を断行せざるをえなくなることもある。これに対して、好況を維持しているときアイドル・コストはほとんど発生せず、むしろ生産力の増強を図る政策を選択しようとする。このように、アイドル・コストを計算測定)することは、企業の経営意思決定に重要な情報を提供するものである。原価計算としてアイドル・コストを計算するためには、生産設備の保有する実現可能な最大の能力をつねに把握しておくことが必要である。キャパシティに係るコストをこの操業水準で製品に配賦していけば、会計制度なかで、アイドル・キャパシティ・コスト(一般に操業度差異という)を金額で把握することができる。

[東海幹夫]

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