あえか(読み)アエカ

デジタル大辞泉 「あえか」の意味・読み・例文・類語

あえか

[形動][文][ナリ]
1 か弱く、頼りないさま。きゃしゃで弱々しいさま。
「まだいと―なる程もうしろめたきに」〈源・藤裏葉〉
2 光や音など自然のものや、夢・希望などが、はかなげで美しいさま。「あえかに咲く花」
「冬枯の木立―になまめかし後うしろに朝の歩み寄る時」〈晶子・晶子新集〉
[類語]柔やわい・弱い・脆もろい・柔やわ・軟弱・脆弱ぜいじゃく・繊弱・孱弱せんじゃく・華奢きゃしゃ・か弱い・ひ弱い・小心・弱気・引っ込み思案・気弱・内弁慶・陰弁慶・臆病・大人しい・こわがり・内気・怯懦きょうだ・怯弱きょうじゃく・意気地なし・小胆・小心翼翼・弱腰・薄弱・惰弱・柔弱・優柔不断・弱弱しい・女女しい・弱音・音を上げる・気が弱い・腰が弱い・煮え切らない・肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順・柔順・従順・温柔・温良・順良・素直・穏和・おだやか・物静か・おとなしやか・控えめ・優しい・内向的・人見知り・しんねりむっつり・シャイ・ひよわ・虚弱・羸弱るいじゃく・尩弱おうじゃく・病弱・劣弱・弱体・心静か・安らか・安穏・のどか・悠長・悠然・悠悠・悠揚・浩然・気長・伸び伸び・伸びやか・のんびり・屈託無い・自然体・のんどり・しなやか・しとやか・なよやか・なよなよ・しっとり・物柔らか・静静しずしず・ソフト・おっとり・婉然えんぜん・しおらしい・閑語・たおやか・ナイーブ・心優しい・柔和・温雅・鷹揚おうよう・静心しずこころ・従容しょうよう・悠悠閑閑・おおどか・つつましい・奥ゆかしい・泰然自若・平静・冷静・しみじみ・しっぽり・しんみり・静まる・温顔・温容・春風駘蕩たいとう・穏便・粛粛・静謐せいひつ・静粛・さくい・へなへな・緩ゆるい・手緩ぬるい・線が細い・骨無し・柔懦じゅうだ・怯臆きょうおく・怯ひるむ・無気力・昼行灯あんどん・意気地がない・いい加減・杜撰ずさん・なまなか・うやむや・アバウト・ぬるま湯・腰抜け・腑ふ抜け

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精選版 日本国語大辞典 「あえか」の意味・読み・例文・類語

あえ‐か

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. ① 触れれば落ちるようなさま。危なっかしい様子。
    1. [初出の実例]「まだいとあえかなる御ほどに、いとゆゆしくぞ、誰も誰もおぼすらむかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. ② 容姿や気持などがかよわく、なよなよとしたさま。きゃしゃであるさま。ふつう若い女性に関して用いられ、上品で美しいという感じを伴って用いられることが多い。
    1. [初出の実例]「はなやかならぬ姿、いとらうたげにあえかなる心ちして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. ③ 自然の景物や夢、希望などのはかなげで美しいさま。
    1. [初出の実例]「冬枯の木立あえかになまめかし後(うしろ)に朝の歩み寄る時」(出典:晶子新集(1917)〈与謝野晶子〉)

あえかの語誌

( 1 )こぼれ落ちる意のアユから派生した語か。「源氏物語」とその影響を受けた平安後期物語の散文中では、結婚や出産に耐え切れない幼さ、性格的な頼りなさ子供っぽさ、身体の小柄なさま、病でやつれた細さなどを形容し、心身が成熟した女性の標準から欠けた状態にある不安定さを表わしている。
( 2 )明治三〇年代になって与謝野晶子などによって甦り、美文的な雅語として韻文などに用いられ、さらに現代では女性の描写よりは光や音、声などのかすかなことの形容として用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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