改訂新版 世界大百科事典 「アオミシマ」の意味・わかりやすい解説
アオミシマ
Gnathagnus elongatus
スズキ目ミシマオコゼ科の海産魚。富山の各地でアマンボ,サガンボ,シャガンボなど,下関でミシマアンコウ,高知でムシマなどの呼名がある。体は細長く円筒形でたいへん小さいうろこがあり,背びれが1基で軟条のみからなり,背部と体側部はその名のとおり青緑色で小褐色斑がある。全長40cmに達する。日本各地にふつうに見られ,沿岸の砂泥底にすみ,砂泥に半ば埋もれた状態でいることが多い。頭部は平らで眼が上方を向き,口も大きく上方を向いており,この埋もれた状態で小型の魚類や甲殻類などが近づくのをまち,とらえて食べるといわれている。産卵期は8~11月である。生息水深は,成魚は200~300mであるが,幼稚魚は水深50m以深と成魚より浅いところまでいる。底引網などで漁獲され,かまぼこの材料になる。
執筆者:望月 賢二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報