六訂版 家庭医学大全科 「アキレス腱断裂」の解説
アキレス腱断裂
アキレスけんだんれつ
Achilles tendon rupture
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな外傷か
アキレス腱は
アキレス腱断裂は下腿三頭筋が強く収縮することによって発生することがほとんどですが、
症状の現れ方
20代のスポーツ選手や40歳以上の人が急にスポーツをした場合に、とくに踏み込み動作やジャンプの着地などで発生することが多く、断裂時に「バチッ」という音がすることもあります。断裂していても、歩行や足首を底屈する(足底側に曲げる)ことは可能ですが、つま先立ちをすることはできません。
検査と診断
皮膚の上から断裂した部分に腱の陥凹が見られたり、触れることができます。うつ伏せに寝たまま
治療の方法
保存療法と手術療法があります。保存療法ではギプス固定を行ったあと、装具を使います。手術療法では腱縫合を行ったあと、ギプス固定を行います。そのあとに装具を使う方法とそうでない方法があります。
再断裂率は手術1.7~2.8%、保存10.7~20.8%と、手術療法のほうが再断裂の危険が少なく、早期復帰が可能だとする意見が多く、スポーツ選手は多くの場合手術療法を選択します。
しかし、感染や皮膚の縫合不全などの合併症が皆無でないため、最近では保存療法にさまざまな工夫を取り入れ、早期復帰を可能にして、スポーツ選手にも適応を広げている施設もあります。
応急処置や予防対策はどうするか
応急処置として、
加藤 公
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報