スポーツ外傷(読み)すぽーつがいしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポーツ外傷」の意味・わかりやすい解説

スポーツ外傷
すぽーつがいしょう

スポーツ活動の際、人や物への衝突や転倒など、一度に急激な力が加わることで起こる組織損傷捻挫(ねんざ)や打撲、骨折、脱臼(だっきゅう)、肉離れ、腱(けん)断裂、靭帯(じんたい)損傷などをさす。軽微な動作の反復により一定の部位に弱い力が持続して加わって起こるスポーツ障害(テニス肘(ひじ)やボウリング腕など)とは異なる。おもなものは、頸椎(けいつい)損傷、頸部・手関節・足関節などの捻挫、手根骨骨折、突き指鎖骨骨折、肩関節脱臼、下腿(かたい)部肉離れ、アキレス腱断裂、膝関節靭帯損傷などである。注意しなければならないのは強度の打撲によって筋肉などの損傷部位が骨に変化してしまう異所性骨化で、関節の可動域が制限されて運動に支障をきたす。また、打撲部位が循環障害から壊死(えし)に至る筋区画症候群(コンパートメント症候群)は、痛みとともに麻痺(まひ)や知覚障害を伴うもので、下腿に痛みや腫脹(しゅちょう)を伴い機能障害をきたす前脛骨区画症候群(脛骨前筋症候群)と、手の拘縮変形により機能障害をきたすフォルクマン拘縮がよく知られている。程度にもよるが多く一過性の損傷であるため、治療により運動機能や筋力が回復すればスポーツ活動を再開できる可能性が高く、治療後に以前より組織が強靭となって運動機能が向上するケースもある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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