アクラルビシン

化学辞典 第2版 「アクラルビシン」の解説

アクラルビシン
アクラルビシン
aclarubicin

C42H53NO15(811.87).アクラシノマイシンAともいう.Streptomyces galilaeusが産生するアントラサイクリン抗生物質.黄色の結晶性粉末.分解点151~153 ℃.-11.5°(ジクロロメタン).UV(メタノールmax :229.5,259,289.5,431 nm(ε 44650,26460,10960,13070).クロロホルム酢酸エチルに可溶.塩酸塩は胃がん,肺がん,乳がん,卵巣がん悪性リンパ腫急性白血病の治療に用いられる.ドキソルビシンより心臓毒性が弱く,ドキソルビシン耐性にも効く.LD50 33.7 mg/kg(マウス静注).[CAS 57576-44-0][CAS 75443-99-1:塩酸塩]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアクラルビシンの言及

【抗生物質】より

…日本では,世界にさきがけて実験動物腫瘍を用いて制癌抗生物質の探索を始め,この分野では世界の水準の先端にあるといえる。日本で発見され臨床的に用いられているものに,秦藤樹のカルチノフィリン(1954),マイトマイシン(1956),梅沢浜夫のブレオマイシン(1966),ペプロマイシン(1977),アクラシノマイシンA(商品名アクラルビシン,1977),立岡末雄のクロモマイシンA3(1955),石田名香雄のネオカルチノスタチン(1965)があり,とくにブレオマイシン,マイトマイシンは外国でもよく用いられている。外国で発見されたもので治療に用いられているものに,アクチノマイシンD,ダウノルビシン(商品名ダウノマイシン),ドキソルビシン(商品名アドリアシン)がある。…

【制癌薬】より

…DNA合成を阻害するが,骨髄毒性のほか,心臓毒性や脱毛が現れることがある。より副作用の少ないものとしてアクラルビシン(アクラシノマイシン)が開発された。これは主としてRNA合成を阻害し,副作用も少ない。…

※「アクラルビシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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