エリダヌス座のα(アルファ)星の固有名。名前はアラビア語で「川の終わり」(アキル・アル・ナールAkhir Al-Nahr)に由来し、オリオン座の近くから天球上を南西に大きく蛇行しながら赤緯マイナス58度まで走るエリダヌス川の南西の果てにある青白い恒星。実視等級は0.47等(変光がある)で、全天で10番目に明るい。色指数(B-V)はマイナス0.16等(天体の色を表す指標の一つで、青色B等級から実視V等級を引いたもの)。2000年の天球上の位置は赤経1時37分43秒、赤緯マイナス57度14.2分で南天の星。毎年10月15日ごろ真夜中に南中する。視差は22.7ミリ秒角で、地球からの距離は144光年。固有運動は97ミリ秒角/年、視線速度はプラス16キロメートル/秒。スペクトル型B3Ⅳ~Ⅴpeの輝線星(スペクトルに輝線がみられる星)で、表面温度は1万8000K(ケルビン)。光干渉計で星の直径が長径2.5ミリ秒角、短径1.6ミリ秒角と測定された。それぞれ太陽の直径の12倍と8倍で、長径が短径より50%も大きい扁平(へんぺい)な星。自転速度vはv sin i=225キロメートル/秒(iは地球から見た星の自転軸傾斜角)もあり、速い自転による遠心力のため星の形が球ではなく赤道付近が膨らみ扁平になっている。
[山崎篤磨]
『瀬川昌男著『星座博物館 冬』(1989・ぎょうせい)』
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…エリダノスĒridanosはギリシアの川の神の名であるが,エジプトではナイル川,バビロニアではユーフラテス川,ローマではポー川と,身近にある大河になぞらえている。α星アケルナルはこの星座の南端にあるが,川の果てという意味で,日本の本州からは見えない。β星はオリオン座のリゲルのそばにある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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