エリダヌス座(読み)えりだぬすざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリダヌス座」の意味・わかりやすい解説

エリダヌス座
えりだぬすざ

冬の宵、オリオン座足元の1等星、β(ベータ)星リゲルのすぐ西に源を発し、うねうねと西東に蛇行しながら赤緯マイナス58度まで南下するありさまを大きな河(エリダヌス川)になぞらえた星座。暗い星ばかりで、しかも南に低いので全景はたどりにくいが、南の端に1等星アケルナル(川の果ての意)が輝いているのが目安となる。ただし日本では、このアケルナルは鹿児島県以南でないと見るのはむずかしい。エリダヌス川はギリシア神話では、大神ゼウスの雷に打たれたファエトンが落ちて死んだ川とされている。

[藤井 旭]

『藤井旭著『秋・冬星座図鑑――もっと知りたい秋・冬の星座』(2002・偕成社)』『藤井旭著『星座大全――冬の星座』(2003・作品社)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリダヌス座」の意味・わかりやすい解説

エリダヌス座
エリダヌスざ
Eridanus

1月中旬の宵に南中する南天星座。概略位置は赤経 3時50分,赤緯-30°。オリオン座のリゲル近くから 3等以下の星が南に向かって並び,赤緯-60°近くにある主星アケルナーにいたる。アケルナーはアラビア語の「川の尽きるところ」の意味で,全天最輝星の一つであるが,日本の本州からは見えない。この星は光度 0.5等,スペクトル型 B3の準巨星で太陽の 650倍の明るさをもち,地球から約 140光年の距離にある。o2星は地球から 16.3光年にある三重連星で,光度 4.42等,スペクトル型 K1の黄色の主系列星の周囲を 9.5等の白色矮星と 11.1等のスペクトル型 M4の赤色矮星が回っている。ε星は 10.7光年の距離にあり,惑星系の存在の可能性がある近距離恒星の代表として,くじら座τ星とともにオズマ計画の観測対象に選ばれた。エリダヌス座の名はティコ・ブラーエの星表に載っており,エリダヌスとはギリシアの川の神またはイタリアのポー川の古代の名である。

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