日本大百科全書(ニッポニカ) 「アサガオガイ」の意味・わかりやすい解説
アサガオガイ
あさがおがい / 朝顔貝
violet snail
[学] Janthina janthina
軟体動物門腹足綱アサガオガイ科の巻き貝。一生浮遊生活をし、世界の温帯、熱帯の海洋に広く分布している。殻高20ミリメートルぐらいでカタツムリ形。殻は薄質でもろく、上面は淡紫色で、底面は濃紫青色。殻口は広く、蓋(ふた)をもたない。雄性先熟で雌のほうが大きい。軟体は足裏から粘液を分泌し空気を取り込んで泡をつくり、それを連結したうきぶくろの筏(いかだ)の下につり下がったようにして生活し、ギンカクラゲなどのクダクラゲ類を常食としている。近縁種にやはり浮遊性のルリガイVioletta globosaがあり、ともに大風のあと、しばしば海岸に漂着する。
[奥谷喬司]