世界秩序(読み)せかいちつじょ(その他表記)world order

翻訳|world order

改訂新版 世界大百科事典 「世界秩序」の意味・わかりやすい解説

世界秩序 (せかいちつじょ)
world order

世界に発生する諸問題が一定の規範手続に従って解決・処理されていると考えられる場合,そのような規範・手続の全体,またはそのように安定した世界の状態を世界秩序と呼ぶ。近代の国際社会で各主権国家が最高の目標価値としてきたのは,自国利益を最大限に獲得するということであった。したがって,その場合における世界秩序とは,各国家が自国の利益を追求した結果もたらされた,構想なき均衡状態を意味するにすぎなかった。ところが近年になって,もっと積極的な世界秩序構想が試みられるようになった。これには大きくいって2種類ある。一つは,未来の世界システムがどうなるか予測を行うものであり,たとえばローマ・クラブの最初の報告《成長の限界》(1972)は,このような色合いが強い。もう一つは,望ましい未来の世界秩序を選択しようとするものである。前者のような予測がなされるようになった背景としては,人間社会のさまざまな活動が一国家の枠を超えて地球大の規模で行われることが多くなり,しかもそれが人々の生活に与える影響が大きくなったという近年の事情がある。このような事情をふまえ,さらに,人間社会で発生する諸問題を解決するためには世界全体に普遍的に通用すべき価値を選択し,そのような価値を実現するための世界改革の構想を示す必要があることに着目したのが,後者である。たとえば南北問題を解決するために,あるべき〈新国際経済秩序〉(NIEO,1974年国連)を設定しその実現をはかるというのは,この発想に立つものである。さらに,平和・経済福祉・社会正義・環境との均衡を人類社会が共通にめざすべき目的価値として選択し,それらの価値を最も望ましい形で実現できるような世界秩序をデザインし,その実現にいたる道筋を学問的に探求している〈世界秩序モデル・プロジェクト〉(WOMP)などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界秩序」の意味・わかりやすい解説

世界秩序
せかいちつじょ
world order

国家間の秩序の枠内では遂行が困難な倫理的外交政策行動を可能にするようなさまざまな過程や手続きの集合体 (グローバル・レジーム) であり,「世界市民主義」と「多中心主義」の2つの方向性を持つ。その樹立のためには,(1) 国家による自己抑制と行動の一貫性の追求のみならず,(2) 多国籍企業の行動が本国に跳ね返ってくるという事実を認識すること (自発的世界市民主義) ,(3) 自国を可能なかぎり難民に開放し,また外国人労働者についてもできるだけ国民と平等な権利を与えること (強制的世界市民主義) などが必要とされる。

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