あしミ之村(読み)あしみのむら

日本歴史地名大系 「あしミ之村」の解説

あしミ之村
あしみのむら

中世よりみえる伊奈いな郡内の地名。正安二年(一三〇〇)七月九日の惟宗盛国書下(伊奈郷宗家判物写)に「あしミのくんししき」とみえ、郡司がいたことが知られ、「きねん四郎」が「すへとし」を改易して「いえふさ」を郡司職に任じたので、「すへとし」が訴訟を起こし、地頭代官の惟宗(宗)盛国がこれに対して「すへとし」の主張を認めている。正中三年(一三二六)「あしミのくんし」「二郎三郎すゑなか」のきん村にある田・畠・栗栖などをめぐって「ためとき」と相論となったが、和解が成立した(同年五月二日「ためとき和与状」同判物写)。この頃の郡司は古代の上県郡司の系譜を引くものと思われるが、南北朝期には宗氏の勢力が強まり、当地にも伊奈郡主の宗茂次の寺といわれる安成あんじよう(廃寺)が建立されたように(津島紀事)葦見あしみ郡は伊奈郡に併合された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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