アシュバメーダ(英語表記)aśvamedha

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アシュバメーダ」の意味・わかりやすい解説

アシュバメーダ
aśvamedha

インドの馬祠 (めし) のこと。諸国を征服した王がみずからの権力を誇示するために行う祭り。すでに『リグ・ベーダ』に記述されており,『マハーバーラタ』においては,戦いに勝ったユディシュティラが馬祠を行なったことが述べられている。犠牲の馬を1年間自由に歩き回らせ,その跡を選ばれた代表者がつけて行く。馬が外国に入ったとき,その国の王が従わなければその国を滅ぼす。こうして1年後,帰ってきた馬で儀軌にのっとり犠牲祭を行う。焼かれた馬の髄の煙を吸うと,王のすべての罪は清められるという。プシヤミトラ王 (前2世紀) ,サムドラグプタ王 (4世紀) ,マヘーンドラバルマン王 (7世紀) などが馬祠を行なったことが記録されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android