日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アジア相互協力信頼醸成措置会議
あじあそうごきょうりょくしんらいじょうせいそちかいぎ
Conference on Interaction and Confidence-Building Measures in Asia
安全保障など諸問題における、アジア各国間の協力深化と信頼醸成のための国際会議。アジア協力信頼醸成措置会議ともいう。略称CICA。1992年の第47回国連総会でのカザフスタン大統領ナザルバエフの提案が成立のきっかけとなり、2002年に第1回首脳会議が開かれた。事務局はカザフスタンのアルマトイ。2018年時点の正式メンバーは、アゼルバイジャン、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、イラン、インド、ウズベキスタン、エジプト、カザフスタン、カタール、韓国、カンボジア、キルギス、スリランカ、タイ、タジキスタン、中国、トルコ、パキスタン、パレスチナ、バーレーン、バングラデシュ、ベトナム、モンゴル、ヨルダン、ロシアの計27か国・地域である。オブザーバーは、アメリカ、インドネシア、ウクライナ、日本、フィリピン、ベラルーシ、マレーシア、ラオス、国際移住機関(IOM)、アラブ連盟、テュルク評議会、国際連合、ヨーロッパ安全保障協力機構(OSCE)の計13か国・組織である。
2014年5月に中国の上海(シャンハイ)で行われた第4回首脳会議では、テロや麻薬の密輸への対策、核不拡散など多くの分野で連携の強化を明記した「上海宣言」を採択した。その際に中国国家主席の習近平(しゅうきんぺい)は、アジアの安全はアジア人民に依拠して守っていかなければならないとする演説を行った。CICAでは、中国がその影響力の強さを利用して、日米同盟やアメリカとフィリピンの同盟などに対抗しようとする動きがある。
[矢板明夫 2019年4月16日]