日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマニュウ」の意味・わかりやすい解説
アマニュウ
あまにゅう
[学] Angelica edulis Miyabe ex Yabe
セリ科(APG分類:セリ科)の大形多年草で、高さ2メートルにも達する。山地の草原に生える。葉は1~2回3出羽状複葉、質が薄く毛がない。小葉は大きく広卵形でさらに三つに切れ込み、鋸歯(きょし)がある。葉柄の基部は膨れて鞘(さや)状となる。花は8月、径20センチメートルに達する大形の複散形花序に多数つき、白色。花柄の基部に細い小総包葉がある。果実は楕円(だえん)形で約7ミリメートル、左右に狭い翼がある。北海道、本州(中部地方以北と鳥取県大山(だいせん))、四国(石鎚(いしづち)山)に分布。茎は甘く食用となる。名は「甘ニュウ」であり、「ニュウ」はアイヌ語という。シシウドは本種に似るが、葉に毛が生えること、花柄の基部に小総包葉がないことで異なる。
[門田裕一 2021年11月17日]