アムステルダム・オリンピック競技大会(読み)アムステルダム・オリンピックきょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アムステルダム・オリンピック競技大会
アムステルダム・オリンピックきょうぎたいかい

オランダアムステルダムを開催都市として行なわれた第9回オリンピック競技大会。1928年5月17日から 8月12日まで開催され,46ヵ国から約 300人の女子選手を含む約 3000人が参加した。この大会からオリンピック聖火が会場にともされるようになり,ギリシアを先頭とする入場行進が行なわれた。また女子にも陸上競技体操競技が実施されるようになった。女子選手に陸上競技の門戸を開くことについては批判や慎重論が多かったが,1922年と 1926年に女子だけの国際競技大会を開催し成果を示したことで,女子種目が採用されることになった。第1次世界大戦の敗戦国であるドイツやオーストリアなども参加が認められ,ドイツは 10個の金メダルを獲得した。日本人選手では,陸上競技三段跳びで織田幹雄が日本人初の金メダリストとなり,南部忠平も 4位に入賞した。競泳競技では,男子 200mで鶴田義行が金メダルを,800mリレーでは銀メダルを,100m自由形では高石勝男銅メダルを獲得した。また,陸上競技女子 800mでは日本人女子として初めてオリンピックに参加した人見絹枝が銀メダルを獲得した。しかしこの女子 800m決勝を走った多くの選手がゴール直後に倒れたため,大会役員はこの種目は女子には過酷すぎると判断し,オリンピック種目から除外した(1960ローマ・オリンピック競技大会で復活)。

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