アメリカ自由貿易圏(読み)アメリカじゆうぼうえきけん

百科事典マイペディア 「アメリカ自由貿易圏」の意味・わかりやすい解説

アメリカ自由貿易圏【アメリカじゆうぼうえきけん】

FTAA(Free Trade Area of the America)のことで,米州自由貿易地域と訳される。南北アメリカ地域の既存貿易協定を再編して域内全体を一つの経済統合体とし,貿易・投資に関する共通ルールをつくり,一大自由貿易圏を創出しようという構想。1990年ブッシュ米国大統領が打ち出し,1994年に米国マイアミで開いたキューバを除く南北アメリカ34ヵ国の第1回米州サミットで2005年の実現を合意した。実現すれば域内人口約8億5000万人の世界最大の経済ブロックになる。 その後米国は1997年5月に中米サミットを主導して,通商を促進する〈サン・ホセ宣言〉を採択,同月カリブ・サミットも開催し,経済協力の態勢づくりを進めた。1998年4月,サンティアゴの第2回米州サミットでは,構想の実現に向けた貿易交渉委員会と9の作業部会の設置を決めた。農業補助金などでアメリカとブラジルとの対立が表面化,2004年2月の貿易担当次官級会議が決裂し,交渉は事実上中断された。
→関連項目北米自由貿易協定

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