ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルコ」の意味・わかりやすい解説
アルコ
Aluko, T. M.
[没]2010.5.1. ラゴス
ナイジェリアの小説家。フルネーム Timothy Mofolorunso Aluko。ヨルバ族出身。イバダン大学,ラゴス大学,ロンドン大学で学び,都市工学,都市計画を専攻。土木技師,ラゴス大学講師,州財務長官を務めるかたわら小説を書いた。新旧秩序が共存する社会のきしみを巧みに描く。1940年代から短編を発表していたが,伝統とキリスト教的価値の対立を描く第1作『男一人に妻一人』One Man, One Wife(1959)で注目された。第2作『男一人に斧一丁』One Man, One Matchet(1964)では,風刺をこめて植民地支配を批判している。ほかに,『同族の者と工夫長』Kinsman and Foreman(1966),『部族長大臣閣下』Chief the Honourable Minister(1970),『恐れ多き皇帝陛下』His Worshipful Majesty(1973),『被告席の悪者たち』Wrong Ones in the Dock(1982)などで,社会風刺,戯画化に冴えをみせている。ナイジェリアでは英語で書く初期の代表的作家の一人で,1994年に自伝『私のご奉公の時代』My Years of Serviceを出している。(→アフリカ文学)
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